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会員ZOOM 第1弾

「関ものづくり研究所」代表の関伸一さんは、会社員時代、ITと生産設備を融合した「デジタル屋台」と呼ばれるシステム構築を手掛け、注目を集めた人物。現在は独立し、「関ものづくり研究所」代表として、各地をめぐり、企業コンサルティングや講演活動を行っています。またNPO法人はままつ未来会議副理事長として、浜松ジオラマファクトリー運営にも携わり、地域活性化に尽力されています。今回、浜名湖クラブ会員ZOOMのコーナーのトップとしてご登場頂きました


■ 現在のお仕事、また起業時のお話を聞かせてください。


賛助会員・個人会員 関 伸一 氏
 28年間ものづくり企業に勤務した経験を活かし、2010年3月に「関ものづくり研究所」を設立しました。「明るく楽しい現場からは必ず良い製品が生み出される」をキーワードに、お客様の現場改善(品質向上、生産性向上)をお手伝いするのが私の仕事です。 最近では、大阪、長野、東京などへ出向くことも多くなり、設立三年目にして、所得税を収めることができました(笑)。これも、それまで出会った方々に助けられたおかげです。研究所を設立する際は、保管していた3000枚の名刺の中から、320名の方へメールを送信し、起業したご挨拶を送らせて頂きました。すると200通の「頑張れ」という返信メールを頂いて、本当に力強かったです。なかにはメールを送信した30分後に「今週中にうちの会社に来て!」とお電話をくださった方もあり、その後のご連絡を含めると、ご挨拶を送った方々の2.5%のお客様からご依頼を頂くことができたのです。本当に感謝です。


■ 関さんにとって、「ものづくり」とは?

 会社を辞め、心身共に疲れ果てた自身のリハビリ中に、「自分が本当にしたいことは何なのか」を考え続けていました。そのとき確信したのが「ものづくりの楽しさを伝えたい、ものづくりを極めたい、そして浜松のものづくりを元気にしたい」という想いでした。
 自分も子供の頃は、プラモデル作りが大好き。ときには接着剤を付けすぎて、溶かしてしまった失敗もありましたが、そんな失敗と喜びを味わい成長することで、ものづくりに興味を膨らめることができるのだと思います。NPO法人はままつ未来会議(※1)へ参加し、浜松ジオラマファクトリーの運営に関わっているのも、今の子供たちにものづくりの楽しさを知ってもらい、未来に羽ばたいてほしいという想いがあったからです。小学生以下へのアプローチに力を入れ、模型作りなどのイベントも企画開催。ジオラマグランプリには40名の小学生が応募してくれました。そのうち審査通過できるのは数点。その中から順位が決定されます。入賞して喜ぶ子もいれば、涙を流して片付けをする子供もいます。すると中には「小学生に可愛そうだ」とおっしゃる方もいますが、私は「この悔しさがいいのだ」と思っています。その悔しさがあってこそ、次への活力になる。「ものづくり伝承に、このグランプリの継続開催が役に立つはず!」と自負しています。

※1 NPO法人はままつ未来会議
「浜松市街地の衰退をこのままにしておけない」という想いから、楽器博物館と浜松ジオラマファクトリーを観光の核とし、2つの拠点を人々が行き来する「2核1モール」を形成しようと活動中。代表は内山淳平氏。


■ 地元浜松のものづくりの現状をどうお考えですか?

 各地域のものづくり企業と接していて、地元浜松で気になるのが、元気低迷です。その要因が何かと考えてみると、3つ挙げることができると思います。一つは下請け体質から脱しようという意識が薄いこと。二つ目に世代交代ができず、若手に移行できていないこと。そして三つ目に、苦しいとはいえ、まだお金に余裕があり、甘えている現状があるのではないでしょうか。本当に余裕のない地域では「このままではダメだ。何が何でも懸命にやろう」という意欲が漲っています。今すぐ、利益に繋がらなかったとしても、企画し、チャレンジするプロモーション力が大切なのではないでしょうか。
 例えば、製造業を元気にしたいという想いでスタートした「全日本製造業コマ大戦」という催しがあります。これは直径20mm以下のコマを作り対戦する実にシンプルな大会ですが、そこに掛ける先進技術や、開発者の意気込みたるや、製造業のプロ意識がほとばしる世界です。その大会に、浜松からの単体参加が一つも無いのは実に残念でした。
 また、学生が自分たちで構想・設計・製作する車両競技会、「全日本学生フォーミュラ大会」第10回が、昨年袋井のエコパで開催され、私も取材に行きました。そのとき、日本のものづくりの危うさを目の当たりにしたのです。それは、日本のメーカー支援が、とても少なくなっていたことです。学生たちが製作した車両には、外国製のタイヤばかり。聞いてみると、「国産タイヤは生産中止、EV用バッテリー、コントローラー、モーターなども、技術漏洩を恐れて、日本企業から供給してもらえない」というのです。一方、外国メーカーは、様々な部品を安く供給したり、三次元CADの使い方指導を無償で行ったり、学生たちを応援し、多くの貢献をしているのです。これこそが、未来のものづくりを考える者たちの、本当の姿なのではないでしょうか。


■ 関さんの趣味・特技を聞かせてください。

 私は自他共に認める、車とバイク好き。一番多いときで12台の車・オートバイを所有していましたが、現在は仕事用と遊び用の車と、オートバイの3台になりました。面倒を見ることができる限界を悟ったのです(笑)。オートバイはホンダの230CC。ハーレーに乗ったこともありましたが、小さなバイクで、今まで目に入らなかった細い道を散策する事に楽しさを見出しています。毎年5月に、バイク仲間と出かける一泊ツーリングが恒例となり、早いもので20年が経ちました。最初は8台からスタートしたのが、ピーク時には40名近くが集まり、現在は20名ほどに落ち着いています。
 この他、マイブームは料理です。料理はまさに「ものづくり」。上手にできるかどうかは、8割段取りにかかっていますね。私の場合は、冷蔵庫内のどの日本酒を飲むかを決めてから、メニューを決め、買い物にいきます。得意料理は鍋。おでんの出汁は和風だしとオイスターソースと、塩で味付け。理科系なので、調味料配分もしっかり軽量スプーンを使います。他にも、ブリのバターソテーおろしポン酢がけなども家族に好評ですよ。


■ では、苦手なものは?

 苦手なものは英語。なんとか話すことはできてもヒアリングが難しいですね。じっとしていることが苦手なので、常に何か働いてしまう私ですが、されど運動はあまり好きな方ではありません。マラソンを日課にしている仕事仲間には、「体によくないぞ〜」と冷やかす側。ボウリングなどの二次元系はまだよいのですが、野球などの三次元系、しかもチームプレーが苦手。ですが、長いバイク人生の中で、何度か転倒しましたが骨折が一度も無いのは、柔道をやっていた経験から、受身がうまかったからかもしれませんね。車もバイクも、運動神経というより、運転テクニックを磨き、危険予知をすることがなにより重要だと思いますよ。

■ ズバリ今後の夢は?

 桜前線を鹿児島から北海道まで車で追いかける旅をしたいですね。乗るのは真っ赤なポルシェのオープンカー!(妻は「嫌だ」と言っていますが・・・)。ポルシェは若くして乗っても似合わないので、仕事をリタイヤしてから、ゆっくり夢を叶えたいですね。

(2013年1月16日ヒアリング)

関ものづくり研究所
(参考)
 関ものづくり研究所
 http://www.seki-monodzukuri.com/

 浜松ジオラマファクトリー
 http://hamamatsu-diorama.com/

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